2022年7月1日金曜日

“ひげ”をはやした洋ラン

                      
   義弟の病院通いにはカミサンが付き添う。私が車で送って行く。内郷の病院は遠いので、あとで2人を迎えに行く。平の街の医院だと、帰りは近くの大型店からタクシーを利用する。

先日、カミサンが変わった花を2輪、手にして戻って来た=写真。カトレア系の花だという。花の周りに“ひげ”が密生している。花の根元には、細長い「がく片」らしいものが5枚付いている。まるで風車(かざぐるま)だ。

話がよく飲み込めなかったのだが、こういうことらしい。洋ランを栽培している農家の人が医院に花を持って来た。医院にはそれらしい花が飾ってある。花を提供するボランティアであり、患者でもあるらしい。その人からもらったのだという。

野草には興味がある。庭で、夏井川渓谷の隠居で、どんな野草が生え、どんな花を咲かせるのか、できるだけ記録し、写真を撮るようにしている。

が、園芸種となると、全く知識がない。身の回りの野草にエネルギーをとられ、園芸種にまで調べる余裕も関心もない。

せいぜいイベント時に飾られるコチョウランやカトレアを見て、「色がすごい」「形がおもしろい」と反応するくらいだ。

しかも、園芸種は品種改良が進んでいる。素人にはイメージさえ浮かばない、片仮名の名前が多い。

でも、わが家に来たからには、園芸業界では何と呼ばれている花なのか知りたい――ここ2、3日、時間をつくってはネットで検索を続けた。

野草と違って、情報が少ないのか、それらしいものになかなかたどりつけなかった。それらしい画像に出合っても名前を絞り切れない、そんなことが続いた。園芸種とはそういうものなのか。

ようやく、これか、という説明に出合う。「リンコレア・ディグビアナ」。以前は「ブラサボラ・ディグビアナ」といれていたらしい。

そこから検索をし直すと、中央アメリカ原産の着生ランで、カトレアに近い。花の色は淡いグリーン、芳香がある、リップ(唇弁)の切れ込みがすばらしい、といった特徴が分かった。

リップの周りの“ひげ”が特徴らしく、英国のラン栽培家、ディグビーという人が初めて開花させたことから、「ディグビアナ」と命名された、ともある。

リップという片仮名も、いかにも園芸種らしい。日本の野草の場合だと、「シランの唇弁」「ネジバナの唇弁」となるところが、「カトレアのリップ」というらしい。

ま、とにかくこの花の名前を知るまでに何時間検索をかけただろう。原産地や形態はそれなりにわかったが、片仮名の名前はやはり覚えきれない。とりあえず、カトレア系の「ディグビアナ」と縮めて頭に入れる。

にしても、交配に交配を重ねて、この世に存在しなかった花をつくり上げる園芸家の執念には恐れ入る。

0 件のコメント: