2023年3月14日火曜日

防災ワークショップ

                      
 土曜日(3月11日)は東日本大震災12年の節目の日。新聞の特集、テレビの特番が続いた。それを読んだり、見たりしただけで「あのとき」を思い出して胸がざわついた。

 この何年かはいつもそうなる。トラウマというほどではないにしても、できるだけいつもの日のように過ごす、そう思いながらも、記憶の底にはまだうずくものが残っているようだ。

 今年(2023年)は翌日曜日、自主防災組織の代表や「登録防災士」を対象にした研修会が新舞子ハイツで開かれた。テーマは「地域防災力向上研修――東日本大震災・福島第一原発事故を振り返って」だった。

 自主防災組織はわが行政区の場合、区の役員がそっくりそのまま役員を兼ねる。地域の高齢化が進んで、役員の重複が避けられなくなった。とてもじゃないが、高齢役員に受講をお願いする環境にはない。結局、私が受講した。

 登録防災士の参加は初めてだ。市は去年8月、市内在住の防災士で、市の総合防災訓練に参加したり、災害時にさまざまな被災者支援活動に協力したりする登録防災士の制度を創設した。2月28日現在で登録者数は197人にのぼるという。

 自主防災組織も、登録防災士もまずは「自助」、そして「共助」を担う。それを踏まえて、10のグループに分かれて研修した。

 テーマがテーマだけに、ここは「あのとき」とまっすぐ向き合わないといけない、そう決めて受講すると、胸のざわつきが消えた。

 「あのとき」と向き合うには、やはり覚悟がいる。覚悟して話を聞くと、次々に「あのとき」の自分の心と行動がよみがえった。それを受け止め、教訓にする場でもあった。

 研修会は2部構成で行われた。1部は全体で東日本大震災、福島第一原発事故の現状について学んだ。

 2部は自主防災組織と登録防災士制度について知識を深めたあと、それぞれのグループでワークショップを実施した。テーマは、①東日本大震災時の対応を振り返る②自主防災組織・登録防災士・行政に期待すること――の二つ。

 それぞれが3・11体験を振り返った。絶えず余震がきた。大津波が沿岸部を襲い、甚大な被害をもたらしたことは、内陸部の人間なので少しあとになってわかった。

いわきの北にある東電の原発が事故を起こす。そこから一気に不安が広がった。原発からの避難指示が半径3キロから10キロ、さらに20キロに拡大される。いわき市北部を含む半径20~30キロ圏内に屋内退避の指示が出る。

わが家の1階では、本棚が倒れ、棚から皿などが落下した。2階はそれ以上にひどかった。電気は大丈夫だったが、水が止まった。カミサンがコンビニに駆けつけ、氷を買ってきた。解かして水にした。

そんなことを思い出しながら、付箋(ふせん)に書いて用紙に張り付けていく=写真。沿岸部の親類を亡くしたという参加者もいて、あらためて地震・津波・原子力事故という複合災害の苛酷さに思いがめぐったのだった。

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