木曜日の夜は「プレバト」を見る。3月2日は水彩画が先行した。俳句は「春光戦2023予選Aブロック」、先生である俳人夏井いつきさんからのお題は「卒業」だった。
「卒業」で最初に紹介された画像は、どこかの学校の卒業式と思われる写真だった。そこからイメージを膨らませて芸能人5人が俳句を詠んだ。
上位3人は①春風亭昇吉「三月の空に託するものがない」②横尾渉「夕桜学ラン捲り1on1」③犬山紙子「春光やルーズソックスすべて干す」――と続き、ここまでは「直しなし」だった。
4位は北山宏光「上履の文字も滲むや卒業式」、そして最下位は松岡充「古巣あり教えの庭よいざさらば」。
「古巣」という文字が目に入ったとき、このための画像使用可否の連絡だったのだ、と納得がいった。
先日、拙ブログにテレビ番組を製作している会社からコメントが入った。別人にも同様の依頼をしていたのか、たびたび連絡して申し訳ない、とあった。
私には心当たりがないので、とりあえず向こうが言ってきたケータイにつなぐと、折り返し女性から電話がかかってきた。
いちおうこの会社の概略をネットで調べておいた。連絡をよこした本人が在籍している。それを確かめたので、用件を聞いてOKを出した。
「ところで何の番組?」「プレバトです」「おお、毎週見てるよ」ということで、3月2日は最初から身を入れて番組を見た。
今から6年8カ月ほど前、拙ブログで鳥の古巣を取り上げた。そのときに使った写真を使わせてほしい、という依頼だった。ブログは次のような内容だった。
――わが家の近くに故義伯父の家がある。クスノキの若木が枝葉を広げている。カラスがここに2年続けて巣をかけた。子育て時期が過ぎたところで、近所の造園業者に頼んで“散髪”した。
カラスの古巣を壊さないように切ってもらった。古巣は直径40センチほど。今は一種のオブジェとして、庭の隅っこに置いてある。
それとは別に、故義伯父の家の玄関近くに鳥が巣をかけた。長径13センチ、短径9センチ、深さは4センチほど。外側基部にはビニールテープやレジ袋のきれはし、枯れ草を使い、産座にはシュロが敷き詰められている。なかなか緻密な構造だ――。
その小さな古巣=写真(これはもともとの画像)=が、俳句の「古巣あり――」の句に添えるイメージ写真として使われていた。もちろん、別人の写真も使われていた。
刺し身でいえば「つま」のようなものだ。出典の明示はない。毎回、ネットをサーフィンして、これはと思う写真を見つけては使用可否のコメントを入れているのだろう。何かせわしない番組づくりの裏側をのぞいたような気がした。
さて、添削後の作品だが、4位は「上履の文字の滲みや卒業す」、最下位は「樟の古巣よ雲よいざさらば」と、きれいに「直し」が入った。さすがは夏井先生だ。
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