シャプラニール=市民による海外協力の会から、カミサンに設立50周年を祝う記念品が届いた=写真。
フェアトレード商品であるネパール産の「ドリップパック珈琲」と、「手すき紙のノート レオ」が入っていた。
添え状には、これからもシャプラニールはバングラデシュ、ネパール、日本で、すべての人々が豊かな可能性を開花する、貧困のない社会を目指して活動を続けていく、とあった。
会の活動は、独立直後のバングラデシュに日本の若者が農業支援のために派遣されたことに始まる。
帰国後、有志がシャプラの前身である「ヘルプ・バングラシュ・コミティ」を立ち上げる。そのメンバーの一人がいわき出身の朋友だったので、どんな活動をしているのかは最初期から承知していた。その後、カミサンが会員になり、私がマンスリーサポーターになった。
東日本大震災では初めて国内支援に入った。いわきを拠点に、5年間にわたって交流スペース「ぶらっと」を開設・運営し、原発避難者や津波被災者の心のよりどころになった。
甚大な被害が出た令和元年東日本台風のときも、シャプラはいわきで飲料水の緊急支援を行い、「みんなでいわきボランティアツアー」を実施した。
シャプラは、①子どもを支える②災害に強い地域をつくる③社会からの孤立を防ぐ④市民同士のつながりを促す――を大きな柱に、さまざまなプロジェクトを展開している。
フェアトレード活動もその一つだ。ネパール産のコーヒーについては、「誇りを持って働ける場づくり」が農村地帯に育てば、危険な出稼ぎが減るのではないか、という思いから、持続可能な農業を目指したコーヒー栽培を支援している。
それが、環境と生産者に寄り添い、日本の消費者とつながる優しい「ドリップパック珈琲」になった。
「手すき紙のノート レオ」は、クラウドファンディング支援者、「鉄腕アトム」の手塚プロ、シャプラ、現地バングラデシュのフェアトレード団体の協力で生まれたという。
漫画家手塚治虫の著書『ガラスの地球を救え』に収められたメッセージを体現したフェアトレード商品で、ブランド作りにシャプラが協力した。
商品説明には、バングラデシュの特産品であるジュート(黄麻)の端切れを集めて作られた、地球に優しい手すき紙のノート、とあった。表紙には「ジャングル大帝」の「レオ」が描かれている。
いわきでの活動をじかに見てきた人間としては、今度もまた同じような感慨を抱いた。人と人とのつながりや当事者の主体性を大切にする――この変わらぬ「愚直さ」に、やはり引かれる。
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