2023年3月2日木曜日

煙るスギ林

                      
 寒暖の波が大きい。2月最後の日は、いわき市山田町で最高気温が20.6度と、今年(2023年)初めて20度を超えた。3月最初の日も18.0度まで上がった。日曜日の冬の烈風とは打って変わり、上着を1枚脱ぎたくなるような春の陽気だった。

 3月は年度終わりの整理と新年度の準備が重なる。何かと気ぜわしい。1日朝、区内会の用事で街へ行った帰り、いつものように夏井川の堤防に出た。

 新川合流点には30羽ほどのコハクチョウが羽を休めていた。時期的にはもう北帰行が始まったはずだ。これから少しずつ数を減らし、3月下旬にはあらかた姿を消す。

 そこから少し下流、サケのやな場が設けられていたあたりに来ると、対岸・山崎の丘陵から黄色っぽい煙が広がっていた=写真。山をよく見るとスギ林だ。スギ花粉の飛散が始まったのだ。

 私はスギ花粉症にはなっていない。が、猛烈なスギ花粉の“煙幕”を見ただけで、目や鼻がむずむずするような感じになった。

 以前は黄砂しか頭になかったが、スギ花粉?という思いがよぎりはじめたのは、10年ほど前だったか。

 平成25(2013)年3月上旬のブログに当時の状況が記されている。――車の屋根やフロントガラスが粉塵でうっすら白くなっていた。春になるとたまに起こる現象だ。スギ花粉か、黄砂か。加えて、微小粒子状物質「PM2.5」が西の方からしのび寄ってくる。

暖かい南風が吹いた日、カミサンが縁側に出て本の片づけを始めた。すると、すぐくしゃみを連発した。粉塵が浮遊しているのだろう。玄関と縁側のガラス戸を開けておいたせいか、私も茶の間にいながら鼻腔がぬれてくるのを感じた。

翌朝は西風が吹き荒れている。粉塵はどうか。わが鼻腔は少し湿っている。カミサンは、台所でくしゃみを連発した。大地震で「半壊」になり、ただでさえ「低気密・低断熱」の家が、さらに低気密になった。家の中にも粉塵が入り込んでいるようだ。鼻腔の湿りやくしゃみが花粉症の前兆でなければいいのだが。

花粉症のためにマスクをしている人が目立つようになった。今春はさらに、黄砂とPM2.5を警戒してマスクをする人が増えるだろう。

平成23年の3月後半は、多くの人が放射性物質を恐れてマスクをして歩いていた。われらも再びマスクをしないといけない事態になるのだろうか――。

そうだった。コロナ禍でマスクが手放せなくなるより前に、放射性物質を防ぐためにマスクをかけていたのだ

平成21(2009)年4月17日の拙ブログでは、ネコもスギ花粉に苦しんでいるのではないか、ということが書かれている。

――同じ屋根の下にすむネコの1匹が右目をつぶって涙を流していた。左目にも涙がある。「なんだこいつ、花粉症か」。2年続けて春になると同じ症状を呈していた。猫風邪とは様子が違う。猫も花粉症にかかるようなことがあるのだろうか――。

今年の2月下旬、やはり街へ出かけたとき、平市街北方の里山全体が赤茶けて見えた。スギ花粉が爆発寸前だ! そう思った。そちらもこの陽気で飛散が始まったか。

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