2023年4月22日土曜日

ガン・カモ調査

                     
 環境省主催の全国一斉ガン・カモ類調査が1月8日に行われた。いわき市内では、日本野鳥の会いわき支部が南部・北部・中部に分かれて、15カ所でガン・カモ類をカウントした。

 同支部の元事務局長Tさんから、その調査結果と支部報「かもめ」第158号(4月1日発行)、個人的に親しくしているという同会筑後支部(福岡県南部)の支部報コピーなどが届いた=写真。

 Tさんからは節目、節目で支部報の恵贈にあずかる。今年(2023年)は、Tさん自身が東日本(いわき支部)と西日本(筑後支部)のガン・カモ調査結果を比較・分析した資料も同封されていた。それを参考に話を進める。

まず、ハクチョウ。筑後ではオオハクチョウも、コハクチョウもゼロだった。いわきではオオハクチョウ73羽、コハクチョウ818羽がカウントされた。

 いわきの夏井川では3カ所にハクチョウが飛来する。平窪(平)、三島(小川)、塩・新川(平)で、それぞれの観察数は35羽、255羽、365羽だった。

 私は堤防から塩・新川のハクチョウを、日曜日にはそばの国道から三島のハクチョウを眺めて通る。

三島は小川江筋の取水堰上流で羽を休めている。ピーク時には200~300羽という感じだった。

塩は「塩~中神谷」と表記した方が正確かもしれない。秋から冬、新川合流点から1キロほど下流にサケのやな場が設けられる。日によってはそちらに大集団が飛来していることがある。そのエリアは、いわば「点」ではなく「線」。それらも含めての数字だったか。

ほかに、いわきでは南部・鮫川の沼部、北部・仁井田(立場)にも飛来した。立場は下神谷の地名だ。四倉の仁井田川と夏井川をつなぐ横川の近くにある。そのへんに夏井川「第4の越冬地」ができたのだろうか。

Tさんはいわきのハクチョウの飛来数の増減について、次のように言っている。2005年1478羽、2006年1420羽と、かつては1400羽を超えていたのが、最近は勢いがない。考えられるのは平窪での給餌自粛。そして、暖冬で南下する個体数が減ったことかもしれない、と。

ついでながら、平窪と塩(新川)では河川敷から土砂を撤去する工事が行われている。ハクチョウはなにかと落ち着かなかったことだろう。

筑後地方に飛来して、いわきでは見られないカモがいる。ツクシガモだ。有明海に多数飛来するという。その数、1717羽。

ほかに、ヨシガモ、オオヨシガモ、スズガモがいるが、この3種類については前年までいわきでも観察された。

なぜだろう、どうしてだろう……。考える材料が増えれば増えるほど、地域を深く知る手がかりが増えていく。そして、それはいいことなのだと、北へ帰ったハクチョウたちを思い浮かべながら、自分に言い聞かせる。

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