2019年8月17日土曜日

精霊送り始末

 きのう(8月16日)の朝、精霊送りが行われた。精霊流しではない。いわき市では環境美化の観点から、場所と時間を決めて盆の供え物を回収し、焼却する。
 わが区では毎年、県営住宅集会所前の庭に祭壇を設けて、早朝6時から収集車の来る9時近くまで(ほんとうは8時までだが)供物を受け付ける=写真(受け付け開始の6時少し前の様子)。区の役員が事前に役割分担の打ち合わせをし、15日夕に祭壇をつくる。16日早朝には交代で立ち会い、収集車が現れると総出で供物を積み込む。

 祭壇をつくるためには細い竹、杉の葉、ホオズキ、縄が要る。集会所前には路上駐車が絶えない。車があると、供物の受け取り・焼香に支障をきたす。14日には駐車自粛の立て看を設置する。水面下での準備がいろいろある。

立て看設置、竹・杉の葉の調達が私の役目だ。竹はちょうどいいのが、わが家の道路向かい、故伯父の家の庭にある。それを切り出す。区の役員になっておよそ10年。この祭壇づくりのために、月遅れ盆を利用してどこかへ遊びに行くようなことはなくなった。

 今年は台風10号の影響が心配された。ときどき気象情報をチェックしては、夕方5時からの祭壇づくりを3時に繰り上げようか、でもその後の予報では雨になる時間がずれ込みそうだ――気をもみながらも、予定通り祭壇づくりを行うことができた。

 当日朝の天気はどうか。風が強かった。南から北へと黒い雲が流れていく。焼香用のろうそくがたびたび消えた。雨は? 精霊送りが終わり、精進あげをすませて解散したとたん、ポツリポツリと降ってきた。タイミングとしてはドンピシャだった。月遅れ盆はこうしていつも天気が気にかかる。

 精進あげは、アルコール抜き(缶ビール1個とつまみを持ち帰ってもらった)の反省会だ。ホオズキは地元のスーパーに注文する。栽培農家が減ったために値段が高くなった。江戸時代の絵には、祭壇の正面だけに飾ったものがある。祭壇の周り全部に飾るのではなく、正面だけならホオズキは少なくて済む。来年は簡略化しよう、ということになった。

祭壇そのものも、昔は石段を三つのぼらないと焼香ができなかった。お年寄りにはそれがきつかった。で、4年前からは道路からじかに焼香できるように、祭壇の向きを90度変えた。少しはお年寄りの気持ちに沿うものになったように思う。

 いつも前例踏襲では事が進まない。前例を大事にしながら、そのときの状況に合わせて変えていく。

しかし、竹切りには注意が足りなかった。Tシャツ・半ズボンのまま、かがんで竹を切っていたら、足まで切ってしまった、蚊もいて、ノコを使うのだから、長ズボンをはくようにと、カミサンに言われていたのだが……。さいわい消毒液とバンドエイドだけで出血が止まった。ルーティンワークでも中身は毎回違う。今年は特に痛いお盆になった。

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