2019年8月9日金曜日

無人ヘリとアオサギ

 いわき市山田町では8月4日を除いて、7月26日から立秋のきのう(8月8日)まで、2週間近く真夏日が続いている。山田と同じ内陸・神谷では(むろん、わが家のことだが)、室温が猛暑日のときもあった。
年寄りは日中、外出を控え、照り返しの強い南の部屋を避けて、できるだけ静かにしているのが一番。とはいえ、世間が起き出す前にやることがある。きのう早朝、夏井川渓谷の隠居へキュウリを採りに行った。

その途中の出来事――。平商業高校の前を過ぎて、平・中塩の水田地帯に入ると、小さなヘリコプターが飛んでいた=写真上。道路に軽トラが2、3台止まっている。そばで何人か、ヘリコプターを見守っている。無人ヘリで農薬を散布しているようだった。中塩の隣は平・下平窪。ここでも無人ヘリが水田の上を飛んでいた。

 ネットで調べてわかったが、無人ヘリ(ラジコンヘリ)による病害虫防除が増えているらしい。耕作者が高齢化している。それもあって、省力化・効率化・共同化が進んでいるのだろう。

この時期(8月)の農薬散布は、いもち病とイナゴ・ウンカ・カメムシの病害虫防除が目的らしい。農家にとっては特に、カメムシの吸汁被害が悩みの種だ。「斑点米」になると等級が落ちる。

中塩と下平窪とは舌状の丘陵が境をなしている。下平窪と中平窪も同じだ。中平窪を過ぎ、地続きの上平窪へと進むと、今度は道の左右に門番よろしくアオサギが立っていた。

体の大きさは成鳥そのものだが、全体に灰色っぽい。車のスピードを落として間合いを詰めても、きょとんとしている。カメラの撮影モードダイヤルを「スピード」に合わせ、1羽が飛び立ったところを連写した。そのなかの1枚がこれ=写真下。
あとでパソコンに撮影データを取り込み、拡大したら、上のくちばしが灰色っぽい。成鳥だと、上下のくちばしがオレンジ色だ。幼鳥だった。おかげで、普通のカメラでもピンボケせずに動きのある写真が撮れた。

早朝6時前後の田園――。中塩、下平窪には無人ヘリ。上平窪にはアオサギのきょうだい。遠方の山並みにはわきたつ霧。人が自然にはたらきかけ、自然が自然にはたらきかける一瞬、一瞬を、たまたまカメラに収めることができた。これも「三文の徳」のひとつにはちがいない。

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