2人を泊める家はわが家の道路向かいの住宅地にある。カミサンの伯父(故人)の家で、これまでにもときどき、いわき市国際交流協会から連絡があると、1泊2日とか2泊3日とかのホームステイを引き受けてきた。仲間うちの飲み会もこの「ゲストハウス」でやることがある。そのままふとんにもぐりこめるので、タクシーや代行を呼ぶ必要がない。
今回は9泊10日だ。食事は自分たちでまかなってもらう(妻のラサレットはベジタリアン)として、最初の晩(8月15日)くらいは歓迎の小宴を開きたい――。
ちょうどいい具合に、大学生の “孫”と母親が加わった=写真。“孫”が東京から里帰りし、17日に帰京するというので、あいさつに来た。アイルランド人やアメリカ人、インド人などが泊まったときにもたびたび合流している。というより、高校の英語教師である母親を助っ人に呼ぶ。今回も一緒になってスペイン人夫妻を歓迎することにした。
まずは乾杯である。20歳になった“孫”も缶ビールを手にした。一緒にアルコールを飲むのは初めてだ。母親のおなかに宿ったころから知っているので、いささか感慨深いものがある。在京スポーツ新聞社で電話番のアルバイトをしているという。少しメディア論をたたかわせた。
それはまぁおいといて、ダニエルとラサレットだ。本人の口からいろいろ聞いておきたいことがある。日本語と英語まじりでやりとりしたなかでわかったのは、日本国内を移動しながら市民にインタビューをしているということだ。富士宮~名古屋~京都~大阪~広島と巡り、北海道にも渡った。
8月6日は広島に原爆が落とされた日、そして平和祈念式が行われる日。その日、広島でダニエルは誕生日を迎えた。北海道の白老ではアイヌの社会・歴史に触れた。富士山の見える富士宮市ではラサレットにプロポーズをした。なんと新婚ほやほやではないか。
あとで知ったのだが、ダニエルは地元のローカルテレビ局で自分の番組を持っている。インタビューはその番組のためのものだった。後日、いわき市民にもインタビューした。私もあれこれ質問を受けた。
大学で教えているのは、日本の1980年代以降の歴史だという。つまり、現代史。ということは、社会学の領域とも重なる。画家阿部幸洋の妻・すみえちゃん(故人)に学んだ日本語は、まだ片言レベルだが、それがかえって若い人たちには親しみやすかったかもしれない。私の場合はいちいち質問の趣旨を確かめながらのやりとりになったが。
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