2020年12月11日金曜日

冬の日曜日の過ごし方

        
 冬は土いじりも限られる。日曜日、夏井川渓谷の隠居へ行って、ネギを4~5本抜いたらやることがない。あとはカメラを首からぶら下げて、周りをあてもなく歩くだけ。ありがたいことに、被写体には事欠かない。 

師走最初の日曜日(12月6日)、普通のカメラのほかに、望遠レンズ付きのカメラを持参した。隠居への行き帰り、ハクチョウやカモ類、サギのいる夏井川のそばを通る。2台のカメラを使い分けながら、鳥を撮る。風景を撮る(イノシシに激しくほじくり返された隠居の下の庭の写真は12月7日に紹介した)。

 天気には恵まれた。朝は上平窪(平)の田んぼで休んでいるハクチョウを車の中から撮った。三島(小川)の夏井川は、小川江筋の斜め堰(ぜき)で流れが緩やかになる。そのため、上流にハクチョウが飛来するようになった。ハクチョウとカモたちを行きと帰り、国道399号側から撮影した。

 帰りは午前11時過ぎに通りがかった。対岸で3組の親子とバードウオッチャー2人がハクチョウにえさをやったり、写真を撮ったりしていた=写真上1。頭上には着水する寸前のハクチョウたちも写っている。

さらにはるか遠く、水石山をバックに4羽のハクチョウが赤井方面から飛んで来るのが目に入った。彼らは大きく右に回りながら接近し、一度、川の上空を旋回=写真下=して上流から着水した。次のグループも同じようにやって来て着水する。この飛行と着水の瞬間もいいシャッターチャンスだ。

堰の下にもカモがいた。三島の斜め堰は夏井川のカーブを利用した多段式だ。木工沈床の七段の白い水の調べが美しい。ざっと350年前の江戸時代前期に築造された。その直下にいるマガモのつがいとオナガガモを撮った。

そういえば、と思う。コロナ禍以降の日曜日、野外に繰り出す人間が増えた気がする。秋から初冬の紅葉期、夏井川渓谷には思った以上に行楽客が押し寄せた。隠居の隣の錦展望台からは子どもの声が聞かれた。大震災後、めったになかったことだ。

 同じ師走最初の日曜日。JR磐越東線江田駅前のキャンプ場は車で埋まっていた。目的はバーベキュー? 記録として写真を撮っておくべきだった。

が――。夏井川渓谷の水量は極端に減って、川底の石がゴロゴロ露出していた=写真上2。表面はぬれて黒く光っている。考えられるケースは水力発電用の導水路に水が流れ、本流の水量が減ったことだ。しかも、導水が始まってすぐだったのではないか。そんなことをチラッと想像したが、もとより理由はわからない。

導水路の水は発電に使われたあと、本流に戻される。平地に下りると、夏井川の水量はいつもと同じだった。

週1回の渓谷への行き帰りでさえ、いろんな“発見”がある。写真に撮っておけば、あとでまた調べることができる。カメラはこのごろ、移動中のメモ帳替わりだ。

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