今年(2020年)最後の日曜日(12月27日)は穏やかな一日になった。朝9時過ぎに夏井川渓谷の隠居へ向かった。
平窪を過ぎて小川へ入ると、国道399号(兼県道小野四倉線)沿いの夏井川(三島)にはハクチョウが密集していた。ざっと200羽、いやそれ以上かもしれない。今シーズン最多の数だ。
三島を過ぎ、JR磐越東線の跨線橋を下りかけると、さらに視界の左右でハクチョウが飛んでいる。真っすぐ向かって来る一団もある。車を止めればいい写真が撮れる――そう思いながらも、後続車があるのでそれはできない。
道路両側の田んぼにもいっぱい羽を休めていた。字名でいうと、右手が上小川の表(おもて)、左手が竹ノ内。ここに舞い降りたのを見るのも初めてだ。
三島の夏井川と上流の集落裏手に広がる田んぼの2カ所だけで300羽以上になるのではないか。いわきへの飛来そのものがピークを迎えたのかもしれない。
帰りは午後2時過ぎに隠居を出た。渓谷を抜けるとすぐ、高崎の広域農道建設現場に着く。県道と磐越東線をまたぐ跨道(線)橋と、県道への接続道路の建設が進められている。そのため、県道が少し前から片側通行になっている。
それを知らせる看板の一つ(いや、向こうとこちらで二つ)が「跨道橋」ではなく「誇道橋」と表示している。「誇れる跨道橋」になるのは「跨道橋」が完成してから、それまでは「跨道橋」だろう。よけいなことながら、校正のクセが出る。直した方がよくないか。
表と竹ノ内の田んぼには、ハクチョウの姿はなかった。三島には朝の3分の1ほどが残留していた=写真上。対岸で親子がえさをやっている。いつもの日曜日の光景だ。平窪の越冬地はパスして、下流・新川が合流する塩地内に行くと、岸辺に数人が散らばっていた。こちらはえさやりよりはウオッチングといった風情だ。ここもざっと100羽以上はいる=写真下。このところ「密」の状態が続いている。
人間の世界ではコロナ、鳥の世界でも鳥インフルエンザがはやっている。先日の報道によると、ヨーロッパで見つかった渡り鳥の別系統のウイルスが、営巣地のシベリア経由で日本へも持ち込まれた。
鳥インフルは通常、人間に感染することはないが、不用意に近寄ったり、触れたりはしないことだという。
鳥インフルを意識するようになったのは2008年あたり。当時、塩~中神谷で毎日、Mさん(2012年死去)が残留コハクチョウにえさをやっていた。
同年の晩春、十和田湖畔や北海道の野付半島、サロマ湖畔で、北帰行途中のハクチョウが死んで見つかり、鳥インフルエンザウイルスが検出された。秋に再び飛来すると、市役所の職員から「えさをやらないでほしい」と言われたそうだ。鳥インフルを警戒しての要請だが、Mさんは断った。「こっちも命がけでえさをやってんだ」
鳥インフルへの対処法は、①死んでいる鳥や衰弱している鳥には素手で触らない②鳥の排泄物に触れたら手洗い・うがいをする③フンを踏んだら念のために靴底を洗う――などだ。私も、以前はハクチョウに囲まれて写真を撮ったことがあるが、今はずいぶん距離を保っている。
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