2020年12月21日月曜日

冬のキャンプ場

        
 夏井川渓谷の江田~牛小川は,晩秋・初冬と紅葉目当ての行楽客でにぎわった。カエデも散って、師走はいつもの静かな山里に戻るかと思ったら――。JR磐越東線江田駅前、夏井川そばのキャンプ場は今も人の気配が絶えない。

 正式には、いわき市が管理する「夏井川渓谷キャンプ場」という。炊事場、トイレが完備し、テントなら30張ていどは設営できる。駐車場もそれに見合ったスペースがある。

 江田駅の裏山を背戸峨廊(セドガロ=夏井川支流江田川)が流れる。前はそちらでキャンプや芋煮会が行われた。山火事の心配がある、川で洗いものをするので水が汚れる――という状況になって、景勝の入り口に代替のキャンプ場が設けられた。

使用料がかからない。予約もする必要がない。先着順で使える手軽さが受けて、コロナ禍の今年(2020年)は早いうちから週末になると、車が何台も止まっていた。

師走最初の日曜日(12月6日)も、駐車場はほぼ満パイだった。牛小川にある隠居への途中、通り過ぎてから写真を撮っておくんだった、と気づく。

次の日曜日(12月13日)は、用があってマチにとどまった。そしてきのう(12月20日)、半月ぶりに隠居へ出かけると――。

江田駅前には午前10時ごろに着いた。キャンプ場はやはり満パイ状態だ=写真上1。駐車場そばまで行くと、1人が車のトランクから段ボール箱を運び出していた。バーベキュー用具でも入っているのか。駐車場の奥のキャンプ場には、何張かテントが張ってある。これからそれぞれが昼食の準備をするのだろう。

コロナ禍で「3密」を避けるため、屋外でレジャーを楽しむ人が増えているそうだ。メディアも、タレントのヒロシがソロキャンパーとしてネットで有名になっている、といったことを取り上げていた。なるほど、彼のアウトドアライフがコロナ時代にマッチしているということなのだろう。

ここ夏井川渓谷キャンプ場でも、グループだけでなく、ソロで野営を楽しんでいる人がいるのかもしれない。にぎわうキャンプ場――。去年(2019年)までは見られなかった、冬の渓谷の新しい光景だ。

この日は典型的な西高東低の冬型の気圧配置になった。晴れて風が強い。冷たい。雲が早足で駆け抜けていく。平のマチから江田までは、道路は何の問題もなかった。が、江田の先、錦展望台の手前、山側からしみ出て道路をぬらしている水が凍結していた=写真上2。いわき地方の方言でいう、「たっぺ」(アイスバーン)だ。あぶない、あぶない。スタッドレスタイヤにはきかえたとはいえ、つるんつるんの氷のスポットだ。

隠居に着くと、濡れ縁に置いた雨だれ受けの火鉢の水が凍っていた。取り出すと、氷の厚さは1センチ以上あった=写真上3。菜園の土をスコップで掘ろうとしたら、歯が立たなかった。凍土がすでに3センチほどになっていた。今年の冬はなかなか手強いかもしれない。(そして、きょうは冬至。一陽来復とくれば、寒さに向かうなかでも気持ちは明るくなる)

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