2020年12月25日金曜日

ネギと辛み大根

                    
 街へ行った帰りに夏井川の堤防を利用する。アパートと休耕地が増えたが、以前は堤防に沿ってネギ畑が続いていた。

 師走も半ばに入って出荷が始まったのだろう。ある日、畑の上流側で老夫婦がネギを掘り起こしていた。きのう(12月24日)も作業をしていた=写真上1(左が上流側)。日がたつにつれてネギの列が減っていく。

 郡山市の「阿久津曲がりネギ」も11月下旬には出荷が始まったという。例年師走になると、いわき市内のヨークベニマル(本社・郡山市)にも並ぶ。義弟の病院送迎のついでに、内郷店に寄ってネギのコーナーをチェックする。去年(2019年)は、産地が台風19号の冠水被害に遭い、曲がりネギを見ることはなかった。今年(2020年)も中旬にのぞいたが、長ネギだけだった。

 夏井川渓谷の隠居で栽培している「三春ネギ」(今年は田村市からネギ苗をもらってきた)だけではまかなえない。直売所やスーパーからも買って来て、味噌汁や煮物、ラーメンの薬味にする。
 ネギを選ぶ基準は単純だ。やわらかいことと、加熱すると甘くなること。見た目は白く太く立派なネギでも、加熱しても甘みが薄く、硬いネギは敬遠する。

その意味では、この冬はまだ、小野町のNさんが江田駅前の直売所で売っていた曲がりネギと、自産の三春ネギしか食べていない。早く阿久津曲がりネギを拝みたいものだ。

辛み大根も冬の食べ物だ。ある年、夏井川渓谷の隠居の庭に、知人からもらった辛み大根の種をまいた。奥会津の「アザキ大根」ということだった。5年前までは花が咲いたあとに種の眠るさやを採り、月遅れ盆にはさやから種を取り出してまいていたが、取りこぼしたさやからも勝手に芽が出ることを知った。

それだけではない。耕すと根に圧力がかからず、細いまま地中深く伸びる。たまたま不耕起のところから生え出たものは、土が硬くて下には行けずに横に膨らんだのか、ずんぐりした立派な辛み大根になった。それを見て以来、不耕起・不採種で辛み大根を収穫するようにしている。

先日、三春ネギと一緒に辛み大根を1本引っこ抜いた。さっそくおろして食卓に出した=写真上2。舌先にピリッときたあと、辛み成分が口内に広がる。この刺激がたまらない。辛み大根には自分で再生する力がある。たまたま辛み大根の野性に気づいたために、手抜きをすればするほど野性が増す――そんな気分が募る冬の逸品だ。

先日、たまたま「うまいッ!」(NHK)を見ていたら、群馬県の下仁田ネギが登場した。これは勉強になった。

下仁田ネギは秋まきだ。苗が伸びると、「麦踏み」ならぬ「ネギ踏み」をする。霜柱ができると根が浮く。それを防ぐために根を土に定着させるのだという。

さらに、収穫4カ月前にはいったん掘り起こし、選別して植え直す。寒さには強いが夏の暑さには弱い。「夏眠」するのを掘り起こして止め、カツを入れるのだとか。それで最終的に、加熱すると甘いネギになる。

三春ネギや阿久津曲がりネギは秋まきだ。夏場、掘り起こして斜めに植えなおす「やとい」をする。あえてストレスを与えることで甘みが増す。育て方が似てないか。

三春ネギの苗も真冬は霜柱が立って根が浮き上がる。それを防ぐために、学校の後輩からもらったもみ殻を敷いた。一部だけでも「ネギ踏み」をして、その後の様子を見てみるか。

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