2021年5月19日水曜日

コミュニティペーパーだからこそ

                        
 身近な活字メディアだからこそ、というべきか。会えば「読んでるよ」といわれるケースが増えてきた。

 コロナ禍の影響で催しや会議などが延期・中止になった。それらを取材し、伝えるのがコミュニティペーパー(地域紙)の役目なのだが、取材対象が激減した。しかし、情報を盛り込む「器」は変わらない。紙面をどう組み立てるか。コロナ問題下の新聞づくりに、急きょ、ブログで協力することになった。

 ちょうど1年前、拙ブログを転載するかたちで、古巣のいわき民報で「夕刊発磐城蘭土紀行」が始まった。するとすぐ、知人から電話やはがきが届いた。そのあとも、ダンシャリをしたのでと、知人が「夕刊発――」を読んで連絡をくれた。それですぐ、本を引き取りに行ったこともある。

 シャプラニール=市民による海外協力の会が「ステナイ生活」を展開している。いわきの「ザ・ピープル」が古着のリサイクルを手がけている。カミサンはどちらにも関係している。ときどき運転手としてリサイクル活動に駆り出される。

 引き取るのは本だけではない。古着や切手・書き損じはがき、食器、園芸用具など多岐にわたる。それらはシャプラニールに送られたり、必要な人が引き取ったり、わが家のどこかに収まったりしている。

 日曜日(5月16日)は、高専の寮で一緒だった同級生から連絡が入った。「夕刊発――」を読んでいる。「未使用の古いはがきが出てきた、シャプラニールに寄付する」という。「では、あとで」。夏井川渓谷の隠居で土いじりをしていたので、それを終えてから街へ戻った。

 彼がいるのはいわき駅前のカバン店だ。私のいとこの娘も勤めている。同級生からはがきを受け取り、いとこの娘からはあれこれいとこたちの話を聞いた。

 いとこはいわき市三和町上三坂に住む。妹、弟が4人いる。先日、埼玉の妹を除いて、平にいる弟、平田村にいる妹、小野町にいる妹が集まったという。

 小野町のいとこはダンナさんが町議会議員をやり、議長を務め、今年(2021年)3月の町長選で、現職を破って町長に初当選した。それを伝える県紙=写真=を見ながら、いとこが母親(私の叔母)に似てきたことに驚いた。きょうだいが集まったのは、その慰労と激励の意味もあったのだろう。ダンナさんも一緒に来たそうだ。

 いとこの娘は別の「夕刊発――の話もしてくれた。「三和町上三坂にいとこが住む。母親は私の父の妹だ。父親は常磐交通の運転手で、まだいわき市になる前の平市から三和村へ転勤して、バス停そばの車庫兼社宅に住んだ。一家は上三坂に根を張り、義叔父も叔母もそこに骨をうずめた」。こんな文章をまくらに、上三坂経由で平田村の小平(おだいら)へドライブしたときのことをブログに書いた。

それが、4月24日付の「夕刊発――」になった。そのコピーを母親(いとこ)に見せると、「『ウチに寄ればいいのに』といっていた」という。

ブログが活字のコラムになることでネットを利用しない人が読み、活字を読んだ人が今度はフェイスブックを介してネットのブログを読む。そんなことがおきるのも、いわきという地域をベースにしたネットと活字のメディアミックスだからだろう。

おかげで、いとこたちの様子がよくわかった。「町長夫人」になってしまったいとこの、陰の苦労も、また。

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