いわき市の北隣、川内村の山中(獏原人村)で鶏を飼い、卵を売って暮らしている風見正博さんから、白樺の樹液をもらった=写真。
風見さんとはフェイスブックでも友達になっている。3月10日に箱罠でイノシシを捕獲した話をアップしたと思ったら、同15日にはグラスに入った「白樺水」の写真をのせてコメントしていた。「狩猟期間も終わって、これからは採集だよ! 今日は白樺水採取できました。冷たくてさわやかな味」
風見さんは卵を宅配するため、毎週火・金の2回、いわきへ下りてくる。わが家へは金曜日にやって来る。
時間があれば茶飲み話をしていく。が、ムラの情報はこのごろ、フェイスブック経由で得ることが多い。鶏の世話をしながら、狩猟に、採集にと忙しそうだな――。感心していたら、樹液の現物が届いた。
さっそく試飲する。口にした瞬間は水と変わらない。が、あとからほのかな甘みが広がった。ネットで検索したら、春先限定の、貴重な森の恵みだ。
ここからは、阿武隈高地の白樺をめぐる勝手な妄想。阿武隈高地には、白樺は自生しない、といわれている。三和町の芝山(819メートル)には小さな白樺林がある。それは植栽されたものではないか、という指摘がある。
いわき市平中神谷地内から阿武隈高地の峰々を越えて山形県南陽市に至る国道399号沿いはどうか。
標高700メートルほどの小川町・十文字まで駆け上ると、今度はすり鉢の底のような同・戸渡(とわだ)地区まで下って、また川内村へと上っていく。
戸渡に旧小川小戸渡分校の建物が残っている。校庭と道路をはさんだ南側には、白樺が数本、少し間隔を置いて並んでいる。
獏原人村はその先、川内村に入ってから山中へと林道を分け入ったところにある。分校そばの白樺も、樹液を採取した獏原人村の白樺も、自生か植栽かはわからない。
川前町の「いこいの里鬼ケ城」レストハウス周辺に白樺が何本かある。これも自生か植栽かは不明だ。
白樺が自生する北海道では、春に白樺樹液まつりを開く。白樺の幹から樹液を採取して飲ませたり、カレーをつくったりするという。
樹液までは想像がいかなかったが、白樺と共生するキノコには思いをめぐらすことがある。毒キノコのベニテングタケ。このキノコを、一度はこの目で見たい、それもいわきで。
阿武隈高地のどこかで、偶然、ベニテングタケと出合った知人がいる。周囲をよく見たら、白樺が十数本植えられていたという。植栽であっても白樺がある以上は、ベニテングタケが出る可能性はあるのだ。
6年前の夏、同級生4人でサハリン(樺太)を訪れ、オホーツク海側の道路を北上した。道の両側は白樺の林だった。ベニテングタケが至る所に現われるのではないか――そんなことを想像してわくわくした。むろん今の時期、サハリンでも白樺の樹液採取が行われていることだろう。
1 件のコメント:
白樺の木は誰かが植えたようです、白樺は3本あって樹液はそろそろ終わりですが今日も4リットル位採取できました、飲みきれないので煮詰めてシロップにしてます。来週まだ出てるようでしたらまたお持ちします。
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