2022年8月15日月曜日

フィッシングベスト


 夏場は、家ではTシャツと半ズボンで過ごす。近所のコンビニへも、たいていその格好で行く。

 街へ行くときには、さすがに長ズボンにはき替える。Tシャツの上にはポケットがいっぱい付いたベスト=写真=を羽織る。

 夏井川渓谷の隠居で土いじりをするときも、このベストを着る。胸ポケットに眼鏡、両脇のポケットにスマホと手帳。まず、この三つを収納できれば問題はない。

 Tシャツに胸ポケットがあれば、ポケットのいっぱいあるベストは必要ない。ズボンのポケットにスマホと手帳、胸ポケットに眼鏡、で事足りる。

 しかし――。眼鏡は遠近両用。近くを見るときには眼鏡をはずすことが多い。かけたりはずしたりするので、眼鏡収納ポケットが必要なのだが、Tシャツの胸ポケットだと、かがんだときによく落ちる。

 予想もしなかった場面で眼鏡を落としたら大変だ。前はケータイをシャツの胸ポケットに入れて、風呂の水を抜くのにかがんだら、ポロッと落ちて水没した。眼鏡をトイレに落としたこともある。以来、ポケットのあるベストが手放せなくなった。

 ベストは三つある。いずれも買った記憶はない。カミサンが米屋のかたわら、古着のリサイクルステーションのようなことをしている。

「使わなくなったから」と衣類を持ってくる人がいる。「欲しいものがないか」と探しに来る人がいる。その両方にわが家も加わる。ベストはそうして手に入れた。

このベストが「フィッシングベスト」だということを、つい最近知った。要するに、釣りをする人の必需品だ。

夕方、晩酌をしながらテレビの情報番組を見ていたら、若者の間でこのフィッシングベストが流行していることを取り上げていた。

原宿などでフィッシングベストを着ている若者の姿が見られる。同地の洋服店の話では、このベストの売り上げが今年(2022年)は去年の2~3倍になった。人気の理由は「収納力」だという。

本来は釣り師のベストで、若者の志向するファッションには縁遠い。が、収納性が魅力、というのはよくわかる。私自身、収納力に引かれて夏場はこのベストが手放せない。つまりは実用性。

番組ではほかにも、土木作業に使われる足袋のような靴が機能性と個性的なデザインから、若者の間で話題になっていることを伝えていた。よくよく見れば、「足袋」とは「地下足袋」で、それを応用した靴ということになる。

   つま先が二つに割れ、親指とそれ以外の指が分かれて収まるので、着地したときの安定感はありそうだが、そちらまでは必要性を感じない。 

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