朝、新聞を取りに玄関を開けると、フヨウの花=写真=が一輪咲いていた。この夏初めての開花だ。
新聞は県紙と全国紙。ちょっと古い話だが、土曜日(8月20日)の県紙は、全国中学校体育大会陸上競技の男子3000メートルで、増子陽太選手(鏡石)が大会新記録で優勝したことを1面トップで伝えていた。
増子選手については、7月に孫の父親から聞いていた。早くも大輪の花を咲かせたかと感じ入った。
7月上旬に県中総体陸上が開かれた。上の孫が400メートルリレーに出場したが、予選で敗退した。同月下旬には全日本中学校通信陸上競技福島県大会が開かれた。孫は100メートルに出場し、これも予選落ちをした。
増子選手は、総体では3000メートル、通信では1500メートルに出場し、いずれも大会新で優勝した。持久力とスピードを兼ね備えた逸材であることがよくわかる。
8月10日に東北中学校陸上大会が青森市で開かれた。増子選手は3000メートルで日本中学新を出して優勝した。これには仰天した。
このレベルになると、才能と努力、その両方が飛び抜けているとしか言いようがない。努力以上に才能がものをいう。しかし、努力をせずに才能を伸ばすことはできない。
若いときに陸上競技をやりながら、凡タイムの周辺でうろうろしていた人間は、つくづくそう思う。
阿武隈のふるさとに、400メートルで全国トップだった人がいる。いや、いた。若くして亡くなった。
小・中学校の先輩で、私が夏休みに母校(中学校)のグラウンドで自主練をしていると、やはり同じように自主練に現れた。確か、大学生だった。全国ナンバーワンというのは承知していた。
体がそう大きいわけではない。400メートルを全力で走るのを見て驚いた。脚が自転車の車輪のように回転する。
富士山に例えると、トップランナーはもちろん、頂上にいる。その下に、9合目、8合目……と人材がひしめいている。5合目あたりをうろちょろしている人間には、頂上への道は黒山の人だかりで見えない。
しかも、陸上競技のおもしろさはタイムがすべてを物語る、ということだ。孫を相手に「ジイジはこうだった」といっても通じない。
中3の孫は100メートルが12秒ちょうどだった。練習を続ければ、11秒台は可能だろう。私は高専時代、100メートルは遅い方だったので、1600メートルリレーに回った。100メートルの記録は孫より劣る。
将来はマラソンランナーに――。増子選手には陸上関係者が期待を寄せている、という話を聞いた。次の目標は5000メートル、1万メートル、そして高校駅伝、大学駅伝か。陸上ファンの一人として彼の今後を見続けようと思う。
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