2022年8月22日月曜日

市民講座再開

        
 いわき市のコロナ感染者が爆発的に増えている。月遅れ盆が過ぎた8月18日は931人と、千人台に迫る勢いだった。7月以降、上昇カーブを描いている第7波は、まだヤマが見えない。

 そうしたなかで、いわき地域学會の令和4年度の市民講座が始まった=写真。基本的には月1回、年度10回の開催だが、コロナ感染状況をにらんでのスケジュール組み立てなので、予定通りにはいかない。

 今年度(2022年度)も一堂に会しての総会は断念し、総会資料を郵送して、6月末を目途に書面審議をしてもらうやり方に替えた。

 書面審議が終わったあと、コロナ禍の中、2、5、6月と中止した市民講座を再開した。初回7月は夏井芳徳副代表幹事が「磐城平藩・松賀族之助(やからのすけ)と内藤義英(露沾)」と題して話した。

会場はいわき市文化センターの大講義室で、隣り合う長テーブルは交互に1人、2人となるようイスが制限されている。

夏井副代表の場合だと、常に40~50人は聴講に訪れる。しかし、「3密」防止が浸透したためか、ほぼ定員の30人前後だった。通常の定員(114人)のざっと4分の1だ。

 地域学會が利用していた部屋は視聴覚教室だが、ここは14人(定員58人)で、平均20~30人が聴講する場所としては狭い。

そこで1階の大講義室や2階の大会議室を会場にしている。8月は会場が31人利用可能な大会議室(定員124人)だった。私が担当した。「大本営発表と『暗黒日記』」と題して話した。

東日本大震災に伴う東電の原発事故が起きたとき、メディアは政府・東電の発表をそのまま伝えるだけだった。「大本営発表と同じではないか」。メディア批判がわきおこった。

ちょうどいわき明星大(現・医療創生大)でマスコミ論(のちにメディア社会論)を始めるところだったので、講義の一つに大本営発表を取り上げた。

 太平洋戦争当時、総合雑誌への執筆を禁じられていたジャーナリスト・外交評論家清沢洌(きよし)の日記も併せて紹介した。

 戦争には古いも新しいもない。苦しむのは一般の庶民だ。その一端を日記から探ることができる。作家高見順の『敗戦日記』、ドイツの作家エーリヒ・ケストナーの『終戦日記』しかり。

『田辺聖子十八歳の日の日記」も図書館から借りて読みたかったが、「貸出中」で市民講座には間に合わなかった。

ロシアがウクライナに侵攻して以来、ロシアでは「大本営発表」が続いている。それも今回、地域学會の市民講座で話すきっかけになった。

いつでも、だれでもコロナに感染しかねない状況下では、市民講座も開催見合わせ、あるいは延期といったことを視野に入れておかないといけない。悩ましい日が続く。

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