精霊送りがすんで、月遅れ盆に区切りがついた。行政区の役員をしているので、8月15日の夕方には精霊送りの準備をしないといけない。翌16日の早朝は当番制で各家から出た供物を受け取り、ごみ収集車を待つ。片付けをすませて初めて、お盆から解放されたことを実感する。
精霊送りの準備を終えた終戦記念日の夜、晩酌をしていると、アオスジアゲハ=写真(何年か前の昼間、庭に飛来したところを撮影)=が茶の間に入ってきた。このときだけ、なにかの霊が迷ってやって来たのではないかと、お盆らしい気分になった。
準備は「前例踏襲」ながら、その場で変更を余儀なくされることもある。わが行政区の精霊送りの場所は県営住宅集会所前の庭。スペースとしてはざっと3メートル四方。草を刈り、四隅に竹を立て、なかに座卓3脚を並べて供物の受け台にする。
平成28(2016)年には受け台正面の位置を道路側に替えた。それまでは道路に並行して正面を設けた。正面に立つには石段を三つ上らないといけない。足の不自由なお年寄りは手すりにつかまり、やっとの思いで焼香台の前に立つ。それを見ていた役員の発案で正面を90度ずらし、道路からじかに焼香できるようにした。
集会所前の道路は路駐が絶えない。このため、14日になると、「駐車自粛」の看板を立てる。これまではこの立て看が効いてか、15日になると路駐がなくなった。ところが、今年(2022年)は予定の場所をふさぐように、1台がずっと止まったままでいる。
急きょ、今までの庭の南端から反対側の北端に場所を移した。たまたま作業を始めるとき、そこに駐車しようとする車があったので、運転手に「バツ」のサインをし、移動してもらう。
というわけで、受け台を設けても路駐されたら元も子もない。前に立て看を置いて車を止められないようにした。
おかげで16日は和やかな気分のなかで供物の受け取りができた。ゴミ収集車もすんなり横付けすることができた。
ホオズキと杉の葉も前と同じではない。赤く熟したホオズキは、会計さんがスーパーから買ってくる。栽培農家が減って値段が高くなった。
以前は四方に張った縄全体にホオズキと杉の葉を飾ったが、ホオズキが高騰したとき、ネットで文献を探したら、正面だけに飾っている江戸時代の絵を見つけた。
一昨年(2020年)からはそれを参考にして、正面だけを飾ることにした。杉の葉も「右へ倣(なら)え」で、数を減らした。
杉の葉はカミサンの実家の庭にある木から調達した。太さが親指ほどの竹は、私が役員になってからは、わが家の向かいにある故義伯父の家の庭の竹を切って使っている。
精霊送りが終われば、頭は夏から秋に切り替わる。あとは8月20日の夏井川流灯花火大会があるだけ。平の、いわきの夏の催事はこの灯籠流しで幕を閉じる。
0 件のコメント:
コメントを投稿