2022年8月4日木曜日

ナラ枯れ、今年も

                      
 最初にその「症状」を見たときには驚いた。ナラ枯れ。いわきの場合は、こんな経緯をたどっている(拙ブログから)。

 ――令和2(2020)年の月遅れ盆の入りに、夏井川渓谷の隠居へ出かけ、小川・塩田地内の山が茶髪になっているのに初めて気づいた。

10日ほどあとのいわき民報でいわき市内のナラ枯れの実態を知った。それを参考に、ナラ枯れのメカニズムやいわき地方の被害状況などをおさらいする。

犯人は体長5ミリほどの小さな昆虫・カシノナガキクイムシ(カシナガ)。雌がナラ菌やえさとなる酵母菌などをたくわえる「菌嚢(きんのう)」を持っている。

雄に誘われて大径木のコナラなどに穿入(せんにゅう)し、そこで産卵する。菌が培養されると、木は通水機能を失い、あっという間に枯死する。

カシナガの幼虫は孔道内で成長・越冬し、翌年6~8月、新成虫として一帯に散らばるので、被害もまた拡大する。

福島県いわき農林事務所・いわき市などによると、いわきでは平成30(2018)年、田人地区ほかでコナラなど50本のナラ枯れが初めて確認された令和元(2019)年は勿来・大久・小川などの中山間地のほか、平地の平・内郷・錦といった街中でも被害が相次いだ同2年は8月2日の梅雨明け後、市民から相次いで情報が寄せられた――。

去年(2021年)は7月下旬、やはり夏井川渓谷の隠居へ行く途中で確認した。小川の平地を一段上がった高崎地内から渓谷の江田地内にかけて、主に右岸・塩田の山林に新しい茶髪が見られた。今年もまた、同じ場所でナラ枯れが始まった。

 一昨年夏以降、ナラ枯れの木を観察してきた。ナラ枯れの葉は落葉しない。風にちぎられるだけ。新成虫が飛び出したあとは、時間とともに朽ちていくだけだ。

古いナラ枯れの木は、遠目には幹と枝の「骨」にしか見えない。その分、色もさめて白茶けた感じになっている。新しいナラ枯れは、葉が茂ったところで枯れて茶髪になる。枝と幹は見えない。

さて、今年は? 高崎から地獄坂(十石坂)を駆けあがり、ロックシェッドを過ぎて、カラーコーンが置かれているあたり、ワイヤネットが張られた山側からせりだしている大木が茶髪になっていた=写真。樹幹はほぼ道路の真上にきている。渓谷でも道が最も狭い竹ノ渡戸地内だ。

 小川地区は、草野心平記念文学館の向かい山、二ツ箭山中、ふもとの町場周辺でも茶髪が見られる。

 平の夏井川の堤防を通ると、右岸の奥、南白土から山崎へと伸びる丘陵にも新しい茶髪ができている。私が住んでいるのはその反対側、左岸域だが、そこの丘陵でも茶髪が目につくようになった。

0 件のコメント: