日曜日(10月9日)に後輩が夏井川渓谷にある隠居の庭の草刈りをしてくれた。2回目(8月5日)の草刈り時には、上下の庭をつなぐ桟橋の上にマムシがいた。「今回はいなかったね」「あれからほどなく姿を消した」。そんな話から始まった。
下の庭を刈り終わると、「キノコっぽいものがある。去年(2021年)もあった」という。上の庭からも、それがはっきり見える。白い球状のものが二つ。野球ボール大だ。
すぐカメラを持って確認する。一つは外皮がむけて、半透明ゼラチン状の中身が見える=写真上1。
後輩が中身を裂く。と、さらにその内側に、暗緑色に包まれた白い柱状のものが入っていた。
白い球状の幼菌から、やがてサッカーボール大になるオニフスベを連想した。が、家に帰って、ネットでオニフスベの幼菌を検索すると、中身は「はんぺん」のように白いままだ。ゼリー状ではない。
そこから「白い球状のキノコ/ゼリー状」をキーワードに検索すると、似た画像が現れた。さらに検索を続けると、スッポンタケの仲間らしいことがわかった。だとしたら、暗緑色の部分は傘になり、白い柱状の部分は柄になるのだろう。
スッポンタケの仲間にキツネノタイマツがある。上の庭の土手に発生したことを、先日、ブログで紹介した。それに続く珍菌の出現だ。
白いドレスをまとった貴婦人のようなキヌガサタケも同じ仲間だが、こちらはゼリー状の内部にある白い柱がずんぐりしている。白いドレスをまとう分、白い柱が太くなるのだろう。
白い柱が細いので、ひとまずスッポンタケということにしておく。いずれにせよ初めて見る幼菌だ。
秋の黄色い花はセイタカアワダチソウ、キツリフネソウ、キバナアキギリなどが思い浮かぶが、それらとは全く違う。
これもあとでいろいろキーワードを組み合わせて画像を検索した。画像から入るのが一番だ。しかし、キーワードがピンボケだったためか、最初は1時間ほどやって断念した。
2回目は30分ほどすぎたところで、「アキチョウジに似る/黄色い花」でやってみた。すると、ようやく似た画像に出合った。
ナガミノツルケマン、別名ナガミノツルキケマン。漢字で書くと、長実蔓華鬘、長実蔓黄華鬘だ。宙に浮いているような花の形がおもしろい。
キノコであれ、野草であれ、人知れず咲き、人知れず散る――そういったものが少なくない。スッポンタケも、ナガミノツルケマンも、たまたま草刈りを介して現れた自然からの贈り物だった。
2 件のコメント:
いつも楽しみにして、拝読しております。
ナガミノツルケマンは県内でけっこう見かけますが、
県準絶滅危惧種です。
莢を陽光に透かしますと、種子が一列に並んでいるのが見え、特徴の一つです。
ツルケマンは種子が二列に並びます。
カエデさん、ありがとうございます。
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